| 山紫陽花 2002年2月 第42号 | |
| ネパール紀行 銭谷 美喜雄 |
|
(カトマンズの混雑） |
今回 勤続２０年の休暇をもらい、９日の日程でネパールへトレッキングに行ってきた。まず驚いたのは、カトマンズ空港を出ると、多くの若者が寄って来て荷物を持とうとすることだ。つまり荷物を持ってやるので、何ルピーか欲しいということだ。私達はすぐに迎えのバスに乗り込んだが、町の中では牛（ヒンズー教では聖なる動物）が寝そべっていたり、子供や青年が街角にたたずんでいたり、道は信号がなく自動車はクラクションを鳴らしながら進んだり、ともかくすべてにカルチャーショックを受けた。日本ではわからないが、第三世界というか発展途上国の現実が目の前にあるのである。 肝心の山の方であるが、４日の日程でルクラからナムチェバザール（シェルパ族の村）まで往復したが、天候にも恵まれエベレストやローツェといった巨峰も見ることができ山好きの者にとっては最高のものであった。ただナムチェバザールの村は標高が３４００ｍあり、私を含め多くの者が頭痛をうったえ、要するに軽い高山病にかかった。このルクラからナムチェバザールへの通称エベレスト街道は昔からの交易のための街道で牛やポーターが行き来しているが、ポーターは頭からカゴを支え６０〜８０ｋｇ、子供でも（日本では小学生か中学生）３０ｋｇかつぎ、粗末な靴やなかにはゴムぞうりで歩いている。街道の途中の村では粗末な身なりで、青鼻をたらした子供が「ナマスティ」といてキャンディをねだって寄って来たりと、戦前の日本もこうであったのかと想像した。ただ驚くべきはナムチェバザールでもインターネットカフェーがあり、こんな山の中でも世界と情報で結ばれているのである。ガイドのシェルパはプロで充分我々にサービスしてくれた。 今回の旅行はアルパイン・ツアーのパックで約３０万円かかった。暇と時間のある人は行ってみる価値はあると思う。 （追而） 私の行ったのは１１／3―１１ トレッキングのシーズンは９月〜４月だが、秋が空気が澄んで展望はよい。英語ができればツアーを利用しなくても個人で行けそう。現地の食事は我慢しなければならない。今回のツアーのメンバーは私以外男性は全員６０歳以上で最高齢は７１歳、女性は少し若く５０歳台以上。 |
 （ナムチェ近郊から見たエベレスト） |
|
 （ナムチェ全景） |
|
 |
|